白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
私のために寝る時間を削って
作ってくれたことが
嬉しくなった。
そして心からの言葉を
口にした。
「こんなにたくさん。
私のために作ってくれたのが
嬉しいです……」
素直に思った言葉だったけど
口に出した瞬間から恥ずかしくなって
自分の顔の熱が、一気に上がった。
こんな真っ赤な顔で、
心からのお礼を伝えたのに……
「アハハ。
もう、桃ちゃん。面白すぎ。
こんな物、ご褒美なわけないでしょ」
……
十環先輩。
あなたは悪魔ですか?
私をからかって。
目の前で
お腹を抱えながら笑い続けていて。
素直に喜んだ私が、
バカみたいじゃないですか!!