白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
「私と付き合って……幻滅した?」
「は?」
「だって私
いっつも虎ちゃんに迷惑かけて……
怒られてばっかりで……」
「清香がおっちょこちょいなことくらい
付き合う前から知ってたし。
中1の時から
気づくとお前のこと目で追ってたから。
初めはさ
清香が何かやらかすたびに
かわいいなって思えていたのに……
だんだん
そうは思えなくなってきてさ……」
「虎ちゃんにとって、ドジな私が
重荷になっちゃったってことだよね」
「そうじゃなくてさ……
お前が高校を卒業した後が……
心配だったから。
高校の間は
俺が清香の傍にいて
フォローできるけど。
清香が社会人になって……
傷つくことも増えるのかと思ったら……
俺が言わないとって思って……
ごめん俺、
清香にきつい言い方してるって
自覚無くてさ。
お前も笑ってくれてたし。
平気なのかなって」
虎ちゃん
私の将来を心配してくれていたんだ。
その不器用な優しさが嬉しい。
すっごく嬉しいけど……
でも、私の心に
まだ抜けない棘が突き刺さったまま。
お店に来た、美人のお姉さんには
さわやかな笑顔を
ずっと振りまいていた虎ちゃん。
肩を並べて笑いあっていた二人の顔を
思い出すだけで
悔しくて、涙があふれてくる。
私には虎ちゃんのあんな笑顔
引き出すことなんて出来なかったのに。