白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「俺の方が、ムリだから」


「え?」


「清香が俺の隣にいてくれないと
 俺の方が絶えられないから」


 私がいないと
 虎ちゃんの方が絶えられない?


 それって……
 嘘……だよね?


 信じられない虎ちゃんの言葉に
 体中が固まってしまった。


「俺さ、中1の頃から
 お前のこと好きだったから」


 ちゅ……中1??
 そんな前から?


 さらに信じられなくて
 言葉すら出てこない。


「中学の入学式で
 初めて清香を見た時に
 なんて言うか……その……
 見惚れたって言うか……。

 太陽みたいに明るい笑顔の
 お前を見た瞬間、
 目が離せなくなったって言うか……

 不愛想な俺とは違いすぎて
 声かける勇気なんてなくてさ。

 それからもお前の周りにはいつも
 女子だけじゃなく
 お前にちょっかいを出す
 男子とかも集まっていてさ。

 それを見るのもムカつくし
 お前に挨拶する勇気もない自分にも
 ムカついてた。

 中2の時に、
 車にひかれそうになった
 清香の腕を引っ張っただろ?

 あの時だってさ
 今なら話しかけられると思ったのに。

 お前が俺に
 『ありがとう』って微笑んだ顔が
 可愛くてさ。

 緊張して冷たい言葉しか
 出てこなかったんだ」


「なんで……言ってくれたの?
 高2の時に……
 『付き合って』って……」


「それはその……
 クラスの男子たちがさ
 言ってたのを聞いたから。

 『清香から、バレンタインチョコを
 もらいたいよな』って。

 それを聞いたらさ
 お前のことを誰かに取られたくないって
 思って。

 清香が放課後によくいる
 図書室に走ってさ。
 気づいたらお前に
 『付き合って』って言ってた」
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