ヤンキーとあたしと嘔吐~君に贈る物語~
「……ありがとう」
なんでここまでしてくれるんだろう。
「おう」
「見た目に反して、いい所あるね」
「見た目ってまあ、確かに髪染めてるしな~別に金髪にこだわりねぇけど!なめられないからいい!」
「なめられないけど、先生には目つけられるよ」
「まあ、確かに」
ぶはっと笑う顔につられて笑ってしまう。
畳に座って弁当をあけるとリュウヤが顔を近づけてきた。
「ねぇ!1口くれよ!」
「えー。」
「ここ連れてきただろ?」
それを言われると……
「何がいい?」
「んー卵焼き」
「自分でとって」
箸を渡そうとすると、口をあけて待っている。
「あーんしてくれよ、そっちのが早い」
「ええぇ……やだ!無理!吐く!」
「ひで!分かったよ、貸せ」
箸を渡して、卵焼きを1つ頬張るリュウヤを見る。
「うま!これ、うま!お前作ったのか?!」