桜舞う下で、君に誓いを~恋した神様~
木のフェンスに手をかけて、庚は町を見下ろした。私は庚に近づくと、町を見下ろす。

「……こうしてると、昔を思い出すな……」

ふと庚の方を見てみると、庚は悲しそうに微笑んでいた。

「……あれ?庚じゃん」

誰かの声が聞こえて、私と庚は同時に声がした方を見る。何人かの男の子が、庚を見つめていた。

「……僕に何の用?」

「庚に会ったら、謝りたいと思ってた……あの時は、庚のことを笑って悪かった……また友達に戻ってくれないか?」

男の子たちは、一斉に頭を下げる。

「……」

庚は、それを無言でじっと見ていた。

「ねぇねぇ、君たち!嘘ついたらダメだよ?」

髪に黄色の星の髪飾りを付けたレイストが、じっと男の子たちを見つめながら言った。

……レ、レイストっ!?いつの間に……!?

「な、何言って……てか、お前は誰だ!?」

「僕?僕は、ただの魔法使いだよ……ちょっと怪しかったから、『嘘見破り魔法』を使ったんだ……仲直りしたフリをして、この子を騙そうとでもしたんでしょ?」

レイストの言葉に、男の子たちは何も言わなくなる。

「……本当のことなんだ……?あの魔法使いが嘘って見破る前から、僕は仲直りするつもりはないよ?」
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