桜田課長の秘密
* * *

路地裏の多国籍料理店・バクティ―。

半個室から顔を出して『こっち、こっち』と手招きする相田さんに駆け寄った。

「申し訳ありません、遅くなりました」

「なに言ってんの。時間ピッタリ、丁度12時だよ」

エキゾチックな店内は活気にあふれ、様々な香辛料の匂いが食欲をそそる。

「はい、メニュー。パクチーが苦手じゃなきゃ、ここのカオマンガイはお勧め」

「パクチー、大好きです」

「遠慮せずにいっぱい食べてね」

「じゃあ、おすすめのカオマンガイで」

相田さんが店内の喧騒に負けじと、よく通る声で店員さんを呼ぶ。
すぐに駆け寄って来た、アジア系の男性。

「リョーへー、恋人か?」

「残念なから、今のところ同僚」

「そうか、ガンバレヨ! で、なに食べる?」

常連なんだろうか。随分と仲が良さそうだ。

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