桜田課長の秘密
仕事に戻ったティンさんの後姿を見送って、サービスのアイスと蓮茶をいただく。

「こんな風に、ゆっくりランチしたのなんて初めてです。ありがとうございました」

「お礼を言うのは俺。めげずに誘ってみるもんだね」

言われてハッとした。

その気がないので、もう誘わないで欲しい。
それを伝えるためにここに居るんだった。
けれども、嬉しそうに『また来ようね』と言われると、言葉に詰まってしまう。


「あの……どうして、こんなに熱心に誘って下さるんですか?」

「え? そんなの好きだからに決まってるでしょ」

「す、す……す?」

直球の告白に心臓が跳ねた。

「巴ちゃん、俺と付き合っ――」

「ごめんなさい!」

「早っ!」


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