幼なじみの彼とわたし
家からコンビニまで歩いて数分の距離だし、アパートのある路地から大通りに出ないとコンビニは見えない。


…ついてきてたの?

意味がわからないし、なんだかにこりともしない佐原くんがこわくなってきた。


「いや、あの…」

「高森さん、西本さんと仲いいですよね?よく一緒に帰ったりしてるし」


そう言いながら佐原くんは、わたしとの距離をだんだん詰めてくる。
その分わたしはじりじりと後退りするけれど、どこかのお宅の塀にぶつかってしまい、もうこれ以上さがれなくなってしまった。


「佐原、くん?何で…」


ずっと無表情なのがさらにこわさを増してくる。


「西本さんとつきあってるんですか?それともあの車の男と?」


すると、佐原くんは壁ドンをするように塀に両手をついて、その中にわたしを閉じ込めた。
それと同時に、さっきコンビニで買った袋が手から離れて地面に落ちて音をたてる。


「…ちょっ」


いつもの佐原くんと別人のようだ。
こわくて仕方ない。


「西本さんとつきあってると思ってたけど、他の男とも遊んでるなら。誰でもいいなら。俺も数いる男の一人にしてもらえませんか?」


彼は何を言っているのだろうか。
何か喋ろうにも声がでない。
体が完全にフリーズしてしまったようだ。
佐原くんとは、さらにじりじりと距離をつめてくる。


「だから、俺も遊び相手の一人に入れてください、って頼んでるんですけど」


やっと笑った。

笑ったっていうか、左の口角をぐっとあげたというか。


イヤ!ムリ!誰か…!

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