幼なじみの彼とわたし
翌週月曜日、お昼休みに食堂で同期の麻ちゃんこと吉田麻子(よしだあさこ)と一緒になった。


麻ちゃんは背が高くスタイル抜群。
顔もパーツがいいのかバランスがいいのか(おそらく両方)とても整っていて、一緒にいるとこちらが恥ずかしくなってくるほど。


「モーリー結婚かぁ」

「ねぇー、びっくりしたよねー」


爪までキレイに手入れの行き届いた手でランチのカルボナーラをフォークに巻き付けながら、麻ちゃんが呟く。


やっぱりその話題になるよねー。
20代も折り返しに入り、30の壁がどんどん迫ってきている年ごろ。


「同期では二人目だよ?しかも男二人。女はまだ誰もお嫁に行ってないのにね。」


昨日も参加していた同期の上野が入社2年目でオメデタ婚をしたから、モーリーは同期では2番目ということになる。


麻ちゃんは、同期の結婚という嬉しさより、先を越された焦りのほうが勝ってるのかな。
さっきからこぼれ落ちるため息が多くなっている。


「こればっかりはさ、タイミングだから。ね?焦ってもいいことないし、そのうちいい人が現れるって!」

いいタイミングっていうのがあるはずなんだから!と自分にも言い聞かせるように言っては見るものの。


「それはわかってるけどさ。……で?」



…で?
で?って…?
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