幼なじみの彼とわたし
「だからー!亜衣紗はまだよね!?超スピード婚とかサプライズ婚とかないよね??」

亜衣紗とはわたしのこと。
麻ちゃんはテーブルの向かいに座るわたしに向かって、体を乗り出してくるからびっくりする。


「う、、うん…。もちろん。ないないないない。知ってるでしょ?麻ちゃんも」

「うん、知ってる」


若干引き気味に、手をブンブン横に振りながら返事すると、その返事を聞いて麻ちゃんは乗り出していた体をひっこめた。
そして、少し笑みを浮かべながら麻ちゃんはカルボナーラを食べ始める。
少し安心した、という表情だ。


「それより、麻ちゃんでしょ?麻ちゃんこそ隠してない?」

麻ちゃんみたいに乗り出しはしないけれど、ニタっと笑って麻ちゃんの顔から目を離さず聞いてみる。


「…そんな予定とかあったら、こんなところでこんなにやさぐれてない」

麻ちゃんは目線もあげずにボソッと否定する。

確かに。


でも、麻ちゃん、ほんとモデルさんみたいなんだもん。
本気になればいくらでも彼氏に立候補してくれる人いると思うんだけどなぁ。
まぁ、麻ちゃんが誰彼構わず付き合うような人ではないとは思うんだけど。


「だって麻ちゃん、スタイルも顔もいいのに仕事もできるでしょ。実際かなりモテてるし」

“モテる”の声に反応したらしく。
わたしの声にパッと顔をあげた麻ちゃんは


「モテてる覚えはないけど?たとえモテてるとしても、自分の好きな人にモテなきゃ意味ないでしょ?」


ご、ごもっとも。

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