幼なじみの彼とわたし
わたしの気持ちがうまく整理されていないから、話が前後したり、途切れたりしてなかなかうまく伝えられない。
それでも、いずみんは口を挟むことなく聞いてくれている。


「でね。藤木さんに…、森田さんのお友だちね、『森田がつきあって、って言ったらつきあえる?』って聞かれたの」

いずみんはまだイカを食べながら、わたしの方をしっかり見て、「へぇ、面白い質問ね。だけど、返事はNOでしょ?」と聞いてくる。


「それがね、わたし恋愛初心者だからさ。付き合うっていうのがわからなくて…」

「OKしたの!?」

話の途中でいずみんが前のめりで入ってくる。


「ううん、どっちも返事ができなくて。そしたら、『ずっと一緒にいたい、とか、自分の何かを犠牲にしてでもその人のために何かしてあげたい、とか。そんな人はいる?』って藤木さんが」

「うんうん。で?」

いずみん、なんか楽しそう。


「それを聞いて思い浮かんだのが遥ちゃんだった、ってわけ」

言ったとたんに恥ずかしくなり、言い終わるなり俯き気味にアスパラを口に放り込む。


「へぇ、そっか。…でも、わたしからすると予想通りかな」

「何が?」

「うん。だって、自覚してなかっただけで、ずっと前からそういうことだったんでしょ?」

「うーん…」


ずっと前から…。
なんでわたしの気持ちなのに、わたしよりわたしのまわりの人のほうがよく知ってるんだろう。

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