【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「刹那」


耳元で、静かに囁かれる。


「なに?」

「俺だって。どうしていいかわからないのだ」


なにが?


顔をあげると――


セロが顔を歪めていた。


「どうすれば。貴様は心から俺のものになる?」

「……へ?」

「まあ。時間は、たっぷりあるのだからな。じわりじわりと俺に惚れさせればいい」


わたしの心、諦めてないの?


「しかし。朝から(いら)つかせおって」


なににそんな怒ってるの?


< 230 / 484 >

この作品をシェア

pagetop