【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


セロが、自転車の向かった方角を見つめる。


とっくにわたしをはねかけたオジさんの姿はないが――


「天罰だ」


口元を歪めたセロが、手を伸ばす。


絶対よからぬことしようとしてる。


「行くよ!」


慌ててセロの手を握る。


ちょっとこらしめる、の

"ちょっと"が恐ろしすぎる……!


「これから、刹那に降り掛かる火の粉は、全部僕が振り払ってあげるね」


いやいや


「悪いやつには地獄を見せてあげる」


いやいやいや!


爽やかに言う台詞ではない。
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