【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「わたし、教室いくから!」


ニセモノ王子にキュンとするものか。


「そこの扉は開かないぞ」


そういえば普段は施錠されてるんだった!


ひと目がないなら校舎裏にでも降りたらよかったんだ。


屋上に来たのはわたしを簡単に逃がさないため。


やられた。


「強行突破したければ飛び降りるしかないな?」


してやったりと言う顔を向けてくる、セロ。


「来い」


誰が行くか!


……って思うのに

さっそく足が自然とセロに向かうのが悔しい。


わたしのカラダがわたしの感情で動かないなんて。


勝手にわたしのカラダを動かすな!


「サボるなら一人でサボってよ」

「そんな頭では授業を受けたところでたいして変わりないだろう?」

「なっ……」

「黙ってこうしていればいい」


そっとセロに包み込まれると、意識が遠のいていくのがわかった。
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