【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。



 *



屋上から、ひとりで教室に戻る。



あーあ

セロの力に負けて、まんまと1時間目サボっちゃったなぁ。


おかげで今朝よりも頭がスッキリしたけど。


――――"そんな頭"では


気絶する前のセロのあの言葉は


バカって言われたわけじゃなくて

体調万全じゃないならって……


そう、言いたかったの?


だとしたら1時間休ませてくれたってことになる。


おかげで次の授業は頭に入ってきそう。


「……それならそう言えばいいのに」


胸元のシルシのせいなんだよね。


セロの言葉通りに動いちゃうのは。


如月先生曰くシルシをつけた本人――つまりセロしか消せないって話だけど。


どうにかならないかな。


望んでないことを自分からしてしまうのは、いやだ。


「ちょっと、あんた」


誰かに呼び止められた。


知らない女子3人組だ。


先輩、みたいだけど……


「顔貸して」


え?
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