【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


 *



「時間ずらして教室戻ろうよ」

「貴様は少し目を離すとトラブルに巻き込まれかねないからな」


王子と校舎を歩けば、そこら中から視線を感じる。


いや、感じるなんてものじゃない。


「ねえ、あの子かな」

「王子が特別扱いしてるっていう噂の?」


ほらきた。


「ここでいい!」

「教室まで見送るよ」


うーわ


「君が心配なんだ」


ニセ爽やか王子に変身した。



「さすがにこんなに人がいる廊下でわたしを襲ってやろうなんて女の子いないって」

「たしかに。それほど強い邪気も近くには感じないかな」

「ね?」

「でも。刹那が僕のだって周囲に知らしめるいい機会だし」


ひろめなくていい!!
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