【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「あの、白咲さん」
「雛でいいわ」
「えっ」
「私も、刹那って呼んでいいかしら?」
「……うん!」
「よろしく。刹那」
「こ、こちらこそ。よろしくね!」
いまいちクラスに馴染めなかったわたしに、友達ができた。
「刹那、更衣室一緒に行こ」
移動教室のとき
雛からそんな風にわたしを誘ってくれるのは、とても意外だった。
てっきり誰かとつるんだりするのは嫌いな子なのかなって思っていたから。
にしても……
本当に、綺麗な子だなあ。
「なに?」
「へっ」
「私の顔、じっと見ているから」
「や、あの……。すごく美人だなって」
「そう」
言われ慣れてそう。
「それに、思ったことハッキリ言えて。カッコよかった」
「私は周りに気を使う生き方ができないだけ。あなたのように」