【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


……あじ?


「さあ。その子を返して」

「テメェが放置したんだろ」

「ちょっと預けておいただけ」


雛がリクさんの腕をどけ、わたしの手を引いて、わたしを抱きしめる。


リクさんが顔を歪める。


雛が、か細い手で、簡単にリクさんを払いのけてしまったからだろう。


わたしもビックリだ。


「変なことされていない?」

「さ、されてないよ」

「ごめんなさいね。でも。あまりにも空腹で。ちょっと腹ごしらえしておかないと――我慢できそうになくって」


腹ごしらえ?


なにか食べたの?


でも、この部屋には食べ物なんてないはずだけど。


「……ねぇ、あなた。ここでのこと誰かに話したら。殺すから」


リクさんが目を見開いて雛を見ている。


「行くわよ」
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