【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
雛に手を引かれ、ホテルから出る。
倒れたアキラさんと
言葉も出ないリクさんを置いて――
「雛、痛いよ」
「あら。ごめんなさい」
振り返った雛の顔を見て、息を呑んだ。
「……それ。どうしたの?」
白い肌に、付着していたのは――
「ケガしてるの?」
真っ赤な、血だった。
主に口元に集中している。
「大丈夫? え……まさか。アキラさんに。乱暴、されたの?」
「失礼」
そう言って、ポケットから取り出したハンカチで口元をぬぐう雛。
「心配しないで。刹那。これは私の血じゃないわ」
「え?」
「健康的な10代男性の――そこそこ良質な血よ。ただ。もう少し油ものを控えて野菜をとって欲しいわね。もう一人のは煙草を吸っているようだったから。イラナイ」
なにを言っているの?
「なに、したの?……アキラさんに」
「なにって。お言葉に甘えてご馳走になっただけ」