【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。


「便利でしょ。伸ばしたり、縮めたりできるの」

と、牙を見せてくる雛。


普段は八重歯のように見えるそれは、食事のときに大きく鋭くなるのかな。


セロに出会っていなければ

雛の言葉を理解するのに時間がかかっただろう。


これが現実だとは思えなかっただろう。


「雛は、あの人の血が目当てで、誘いにのったんだね」

「そうよ」

「それじゃあ。わたしに近づいたのも」


わたしを、食べるため……?


廊下で悪口を言われるわたしを助けてくれたのも。


こうして友達になれたのも。


一緒に帰ろうって言ってくれたのも


「……血が欲しいから?」


そう思うと心がズキンといたんだ。


わたしだけ雛のこと友達だと思っていたの?
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