【番外編5/3UP】その王子、はらぺこ悪魔につき。
「若くて可愛い子の血は、最高に美味しいのよね」

「へ……?」

「お口直しに。ひとくち、いただける?」


雛の細い腕が首の後ろにまわってくる。


さっきは夢中で気がつかなかったけれど

ひんやりと、冷たい手だ。


セロもこれくらい体温が低い。


雛が人外なのだという話が現実味を増す。


悪魔は人間と仲良くしないって感じだけど

雛は――吸血鬼は人間と仲良くできるの?


「ちょっと痛いけど我慢してね」

「えっ……」


――――噛みつかれるの?


「大丈夫。力を抜いて」

「うん」

「飲みきったりは。しないから」


雛は、わたしの友達。


人間の血がこの子に必要なら、提供してあげたいと思う。


「さあ。一緒に、気持ちよくなりましょうね」
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