Keeper.ll
ふー、と息を吐きながら千歩の元へとたどり着く。走る距離はグラウンド半周、私の番号は偶数で千歩は奇数。
千歩が走ったらまた反対方向になるのでつかの間の逢瀬である。まぁ、逢瀬って言っても私たちは2人とも女で関係性は友達なんだけどね。
「お疲れ!」
『うん、ありがとう。』
にこり、と笑う千歩を見ながら額の汗を拭う。
「早かったよ!さすが選抜に選ばれるだけあるね!」
『そう?』
喉が乾いた。
「そういえば偶数には望くんもいるんだね〜」
『うん、みたいね。』
視線に釣られれば今、緑髪が揺れている。走っている。
『そういえば初めて喋ったっけ。』
「え、、、初めて!?」
すごい驚き様の千歩にひとつ頷く。
『機会、なかったじゃん?』
「まぁ確かにそうだけど…、そっか。うん!みんなと仲良くなれるといいね!」
『うん。……千歩は?みんなと仲良いの?』
「私?」
キョトン、と目を丸くする。
「私はまぁまぁかなぁ。ほら、お姫様って役職でしょ?だからフレンドリーに接してくれる子って限られてるんだよね。
でも仲良くなれたらいいなって思って、雪くんや輝くんと一緒に行ってみたりもしてたよ。」
そのおかげで だんだんみんな話しかけてくれるようにった、と優しく笑う千歩は正しくお姫様に相応しい。