Keeper.ll
後ろに飛び退いて、頬を触る。やけるように痛かった。簡単に言えば殴られたのだ。どうやら口の端が切れたようで血の味が口内に広がる。
乱雑に拭っておいた。
「えー、避けられるとは思ってなかったァ。」
アハッと笑う大男に、にやりと不敵に笑ってやる。内心はもちろん、それどころじゃあないけれど。
周りの男たちをもう既に全員倒し終わっていたことだけは幸いだった。この大男を相手するだけで精一杯になるだろうから。
いや、もしかしたら逆かもしれないな。全員倒されたから、動いた……?
『残念ながら、当たってたよ。』
そういえば、殴った方の腕の肩をコキコキと回してたのを止めて目を細めた。さながら獲物をねらう、肉食獣のように。
「だって、首と胴体、繋がってるでしょオ?」
ゾッとする。
『は?』
唇が、震える。
「俺は今ァ、力のこめ具合は結構本気で殴ったよ?
最悪、首の骨が折れるかもしれないくらいに勢いはつけて。
でも、上手くいなされたか避けられたのかは分からないけどォー。
あッはァ〜、ねぇねぇ〜、そんな怖い顔しないで笑ってよ〜。」