Keeper.ll
語尾を伸ばしたようなしゃべり方は永富と似ているものがある。
だけど永富はただ語尾を伸ばしてるだけ。こいつは、なんて言うのだろう。粘着してくる。いつまでも耳に、この大男の気持ち悪い喋り方がまとわりつく。
「それにしても永富は居ないのか〜ってつまらなかったけど、お前みたいな面白いヤツがいるならそっちでいいや〜。
ねぇねェ、名前なんて言うのォ〜?」
『生憎私は弱いからね、名乗る名前なんてないよ。ああ、でもあなたは強いね。是非この弱い私に名前教えてよ。』
そうおだてたら、相手はンフフと笑った。ああ、気持ちが悪い。顔だけならまだイケメンなのだ。
薄い銀髪に淡い青眼。薄氷を想起させる儚さとは反対にだいぶ高身長の大男。
「俺の名前はァ〜、霧雨 薄。フフ、よろしくねぇ〜。
ええっとォ?お前の名前、教えてくれないんだっけ?」
薄と名乗った男のつまらなさそうに目が光る。
教えられるわけないだろう。もし、こいつがヤツの手下だったら。蛇雁…と言っただろうか。その暴走族の逃げた総長だったと、したら?
強い、そして私たちを狙う可能性が今の中で一番高い暴走族は何か…。たとえ突飛な考えだとしても1番有力なものはこれになる…。
それにもしこの推理が当たっていたとしたら、名前を明かせば私がここにいるってことがバレてしまう。それとももうバレているのだろうか。だからこいつをここによこしたのか。だけど多分それは無い。だって霧雨は永富に逢いに来たと言ったのだから。
『名前は教えられないけど、、そうだな。ならあだ名でもつけてよ。』
「ふ〜ん、めんどくさいけどいいよォ。」
笑いながら何にしようかなー、と言ってくるこの男は先程こちらを殴ってきた時の雰囲気とはだいぶかけはなれている。