Keeper.ll
「じゃぁ〜、霙ちゃんね。」
『……は?霙?』
霧雨がニコッと笑って言った言葉の意味を理解できなかった。
「なに?不満なの?」
『いや、そうじゃなくて。ただ純粋に私は霙っぽいのかって思って……。』
いきなりのことに驚いた。なぜそんな名前になったんだ。
「俺、雪見るの好きなんだー。昔は東北の方に住んでたのォ。だからその雪の名前から取ったんだよォ〜。」
霧雨はどうやら立っているのに疲れたらしく、そこら辺にころがっている人の上に腰を下ろす。
それは、あんたの仲間なんじゃないのか。
「霙ってどういう状態か知ってるゥ〜?」
唖然としている私なんてお構いなく放っておいて、やつは未だに自分のペースを走っている。
『いや、知らない、、』
「雨と雪が混ざった状態なんだ〜。お前、そんな感じしない?」
『……え?』
呆気に取られた私とは反対的に霧雨は自分の下敷きになっている男の足をプラプラと遊んでいる。
プラプラ
プラプラ
プラプラ
プラ、