Keeper.ll




そこからはもう、とんでもなかった。そう、シンプルに言うて地獄。


倉庫に戻ったら十勝が待ち受けていた。腕を組んでの仁王立ち。夏川がどのように伝えていたのかは分からないが、だいぶ強そうとでも伝えたのだろう、組まれた腕のところには救急箱がぶら下がっていた。


威圧感がすごい。


私と相澤そして永富に帯刀と揃い、何故か永富が顔を青くしながら倉庫に来た理由がわかった気がする。相澤も表情が固かったしね、無駄にドキドキさせるのよくないと思うんですが。ねぇ。


倉庫の扉に手をかけてひとつ息を吐き出す。私の腕をそっと掴んでいる永富は見ないふりをした。お前ほんとにそんなに怯えるほどか?

実際に開けてみたところ、今まで見た事がないほどの威圧感を放った十勝は、私の顔の怪我を認識するや否や飛んできた。


「大丈夫か!?」


『ま、まぁ、なんとか。落ち着いてよちょっと怖いんだけど。』


「いや、でも、色が凄いことになってる」


『え、、』


頬に手を当てられ、思わぬ痛みに顔をしかめれば目の前の男が悲しそうに眉根を寄せた。

余程色がすごいらしく千歩が半泣きだ。夏川も下唇かみ締めている。ズキズキ、ズキズキ、と痛む。

そっと、タオルに包まれた保冷剤が頬に当てられた。


「他に怪我は…?」



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