Keeper.ll



一通り説明されてから、運動場の真ん中へと置いてある棒を挟むように相手のチームと対面する。


「緊張するねー」


『うん、まぁ』


1回だけ体育の授業で練習をしたことがあったけれど、相手のチーム勢いが良すぎてとても怖かったんだよなぁ……。


そのチームはなんと、今からの対戦相手である。私たちA組と、C組が戦うのだ。確かC組もヤンキーのクラスだったよな、より一層キャットファイトが激しいメンツじゃないですか。


千歩くらいだ、うちのクラスでふわふわしているのは。あとはギャルギャルしいメンツだ。そいつらがネイルまで落としている…なぜ?何故そこまでするんだ?


「輝様と律様が今年は応援団だもの…絶対に優勝するわ!」


「ええ!相手に譲る棒なんて1本もないわ!!」


……どうやらただの信者だったようだ。



「位置について〜、よーい!」


パァン、とピストルが撃ち放された。




その瞬間、ドドドド、とでも効果音が着きそうなくらいに皆がいっせいに走り出す。


「行こう、里香ちゃん!」


『え、ええ、』


ヌーの群れが脳内を過った。やだなぁ、近づきたくない。そう思いながらも走れば熱に巻き込まれる。熱気がすごい。


千歩が見つけた棒を後方支援するように引っ張り出す。


「離せやゴラァ!!」

「アンタが手を離せよこのクソが!!」


言葉が汚い 言葉が汚い


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