Keeper.ll



『ただいま』

「たっだいまー!」


応援席に戻れば、何かを話していた男衆が一斉にこちらを向いた。


「おかえり、紫陽、千歩」

「お疲れさん」

「お疲れ様」

「凄かったね〜」

それぞれに労いの言葉を貰いながら席に着く。チラホラと、周りの帰ってきた女子も騒ぎながら席に着いていた。


「女子って怖いな」

ペットボトルを両手で握った十勝がボソリと呟く。


『そう?…ああ、竹取か。』

「ああ。」

「勢いがすげぇな、あれ。グワーッて、一斉に棒に群がって引っ張り合いっ子してよ、ほんとにすげぇな。」

「失礼だよ、輝くん。」

「なんでだよ、お前も思わなかった?」

千歩が窘めるがそれに相澤が反発する。

『まぁ私も初めて見た時は勢いがすごいとは思ったけどどうやらあんたのために頑張ってるらしいよ?神龍の皆さんが応援団やってるから頑張らなきゃ〜って言ってたけど。』


相澤は目を見開き、ドン引きしていたような顔を緩める。


「そっか、それは素直に嬉しいな。……怖がって悪かったと思う……。」


「そうだよ!みんな頑張ってるんだから!
話は変わるけど次の種目はなんだったっけ?」

『ほんとにいきなり話し変わるな。』


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