Keeper.ll




玉入れが始まったようだ。ポンポンと赤色と白色の玉が投げられる様は見ていてなかなか面白い。


『あ、ちょっと御手洗行ってくる。』


「行ってらっしゃ〜い」


別にトイレに行きたい訳では無いけれど、ポケットに入れていた携帯が特定の音で呼出音と共に震えたから…多分あの人の呼び出しだろう。


運動場の端を歩きながら玉入れの様子を見つめる。カゴの中に吸い込まれていく玉はまるで逆再生のようで。あまり、籠の中に入った!という気は見ていてもしないのに何故か集計の時になればそこそこの数が籠から出てくるのだから不思議だ。


昨日玉入れとは何かと調べたところそんな画像が出てきたのだ。小学生の動画だったけれど凄いな、私は多分あれ苦手だな。


そんなことをぼんやりと考えながら、とある人物の姿を探す。見つからないとキョロキョロと見渡しているが、どこからか視線を感じて振り向く。

遠くからの視線、それは確実に私が探している人のものではなくねっとりとした後期に晒されているようなもの。


『あっ……、え、嘘…でしょ…』



なんで、お前がここにいるんだ。1歩足をそちらへと方向転換するために踏み出したところで、そんな私の行動が見えたのだろう、ヤツが身体を翻す。


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