カッコウ Ⅱ
昼休み、正典は大翔を中庭に連れ出した。
 
「なんだよ、こんな所まで。告白するカップルみたいじゃないか。」

大翔は笑いながら正典に付いて行く。
 
「落ち着いて聞けよ、ヒロト。」

芝生に並んで腰を下ろすと、正典はもったいぶった言葉で切り出す。
 
「だからなんだよ。俺を好きなの?」

大翔が笑ってはぐらかすと、
 
「俺さ、前に大宮でお前の母ちゃん見たって言ったじゃない。昨日、また見たんだよ。」
 
「だから大宮で働いているって。」

正典の真剣な表情が不安になり、大翔は少し目を逸らす。
 


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