カッコウ Ⅱ
みどりは改めて、孝明の偉大さを思っていた。

あんなに傷付いた大翔を癒して、さらに優しさを教えている。

しかも家族ぐるみで。
 
みどりは自分が失ったものの大きさに、悲しみ以上の驚きを感じていた。



一度は手に入れた幸せ。

それを離したのは自分だった。

孝明を裏切る自分をカッコいいと思っていた。

まだ若くて、未熟過ぎたみどり。
 

でもみどりは、一度は手に入れた。

孝明と係ることができた人生。

そして、大翔と悠翔という孝明の分身を。

孝明とは離れてしまっても、みどりに残してくれた。
 


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