UNCERTAIN STORY
そして何事も無かったように進んで行った私達は、一際大きな扉の前に辿り着いた。

疑問なのが、ほとんどの罠が既に発動していた事。
かなりの数の冒険者が来たのに、風の短剣入手には至っていないという事は…この先にそれを阻んできた何かがあるって事よね…。


私が思案にくれていると、何も考えないヴァカが扉を開けようとしていた。

「こらー!!アーガスー!!
あんたは何でそう勝手に…」

「だって開けなきゃ入れないだろ?」


う…確かにそうだけど…たまーに的を得てるのよねぇ。
ヴァカのくせに…。


そんな事を思っていたら、アーガスはすでに扉を開けていた。


「ほらー、行くぞー。」
アーガスの呼び掛けに手を上げながら答えた。

「分かった~。今行くから。」

さーて、何があるんだろ?


私達が扉の中へ足を踏み入れた瞬間、足元に冒険者らしき人が転がってきた。

外傷も多く、何とか意識は保っているようだけど、ボロボロだわ。


「ちょっとあんた大丈夫!?」

私の声に男は反応した。

「う…同業者か…。
悪い事は言わん…早く逃げろ…!!」
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