UNCERTAIN STORY
「逃げろって…一体何があったの?」


私の当然の疑問に、男は息を絶え絶えに何とか答えてきた。


「【サーミュラル】だ…剣も打撃も効かない化け物だ…。
元素師が居ないと手出しは出来ない…。
だから早く逃げるんだ…。」


「なるほどね…。」


彼が言ったサーミュラルとは【スライム系】に属する魔物で、目撃情報がほとんど無い魔物なのよね~。
剣や打撃による攻撃は効かないっていう厄介なヤツ。

倒すつもりなら仲間に【元素師】が居ないと不可能ね。

元素師っていうのは、【火・水・風・土・光】この五つの力を発現させる力を持ってるの。

火なら火の元素師。水なら水の元素師っていう風にね。
でも元素師の数は少なくて、サーミュラルと同じように、中々出会えないけど…。


「リイム~、先に入っちまうぞー?」

「今行く~。」


私の言葉を聞いて、倒れていた冒険者が私の腕を掴んだ。


「ま…待て!話を聞いて無かったのか…?」


私は冒険者の腕を外し、

「大丈夫よ。どうにかなるでしょ♪」


冒険者は諦めたようにうなだれてしまった。
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