私の仮恋人は親友のお兄さん
「そういう情報ってどこから
入ってくるの?」

「パーティ内の噂とか
だいたいは見ていれば
わかる

話す内容や
催すパーティ内容とか

呼ぶ客層とか」

「鋭い観察力ですね」

「まあね
会社の経営者ですから」

「さりげなく自慢してます?」

「大いに自慢してます」

私と廉人さんは
目を合わせると
笑い声をあげた

なんか緊張が解れたよ

かちこちに固まっていた
筋肉が

ゆっくりと動き出す

エスコートしてくれる廉人さんは

麗華さんの客人の中で
一番格好良い

まわりの注目も浴びていた

視線をあびながら
歩くのは
緊張するけど

廉人さんの笑顔を見ながら
歩くのは

心地よくて


でも


心が痛かった



今日が最後だから


そう思うと心の奥が苦しくなる
< 134 / 204 >

この作品をシェア

pagetop