保健室で寝ていたら、爽やかモテ男子に甘く迫られちゃいました。
「あの、違うの、あれは……」
「違う?じゃあなんでそんなに赤くなるわけ。郁田言ったよな、あいつとは付き合ってないって。なら───」
「あの日は事故でっ」
「事故?じゃあ一昨日、郁田が夏目の部屋に行ったのも事故?」
「それは……」
まくしたてるように話す泉くんに、負けじと必死に答えるけど、かなわない。
なんだか意地悪だ、泉くん。
今までだってたしかにハッキリとものをいうタイプだったけど。
今の泉くんは違う。
まるで怒ってるみたいで。
でもどうして?
「……あっ、ごめん、」
さっきまでイライラして見えた泉くんが、今度は大きく深呼吸してから呟いて後頭部をかいた。
少しの沈黙の後、泉くんが空気を吸った音が微かにして。
「……郁田はさ、夏目のこと、好きなの?」
先ほどとは打って変わって、今度は申し訳なさそうに小さく聞いてきた泉くんに、
私は深く、コクンと頷いた。