eternal〜守りし者〜
『とても…大切なお方なのですか…?』』

お凛の頬に一筋の涙が伝った。

『いけませんね。こちらに来て早々この様な…。』

自分でその頬の涙を拭うと、お凛は目一杯笑って見せた。

鈴は思わずこう言った。

『…もし、もし将季様との間にお子が出来ぬとならば、1年で里へ戻れます。それまで…。』

『例えそうであっても…綺麗な身体のままあの人の元へ戻れる訳では無い…。』

鈴は、ハッとした。


……お凛様の幼馴染みは…想い人……


『………次女であるにも関わらず、出過ぎた事を口走りました。申し訳ございません。』

頭を下げる鈴に、お凛はそっと近寄った。

『頭を上げて鈴。よくは分からずとも、あなたにもそれなりの苦労があってこの城に来たのでしょう?私だけが辛いのでは無い。そううなのでしょう?』


鈴は、その言葉の中にお凛の優しい心を見せられた。


その日からお凛と鈴はまるで姉妹の様な仲の良い関係を築いていった。



艶女は他にお涼(おりょう)という村娘と奈緒という町娘が城へと呼ばれた。

艶女達はお互い顔を合わせる事はない。自分以外に後2人居るという事だけ知らされており、それがどこの誰でいくつなのかも分からないままだ。艶女に選ばれ、それを受けるとその家には支度金が送られ、艶女には裕福な生活を与えるとし、1年以内にお子を授かれば生涯その暮らしができ、逆を言えば2度と里へは戻れない。しかし、お子を授からなければ丸1年で里へと戻される。そして、新たな艶女が城へと招かれるのだ。艶女にもまたそれぞれ色んな物語りがあった。
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