eternal〜守りし者〜
そして、時は来た。

お凛と将季の寝夜の日を迎えた。

お凛の髪をとく鈴。いつになく表情が強張る。


『…鈴?』

『…はい。』

『どこか…鈴の方が緊張してるみたい。』

『…そんなッ。…でも、お凛様は大丈夫ですか?』

『目を閉じて…身を委ねるだけです。それだけの事…そう思う様にしています。』

『…はぃ。』


寝夜の床へは先に艶女が入り、その後将季が入って行く。次女はその床の入り口で背を向けて一晩その場に居合わせる決まりだ。
鈴の心音もトクトクと音を立て始めていた。

出来る事なら消えてしまいたい。

そんな思いもこみ上げる瞬間だった。


入り口で床に背を向け正座をした鈴に聞こえてきた足音…。両手をグッと握り締め真っ直ぐ前を見つめた。すると、鈴の前で立ち止まった男の声に驚いた。


『将季様が、私と鈴の配置替えを申された。鈴は廊下へ。』


ハッとして顔を上げると、その声の主は空我だったのだ。


『…私が此処ではならぬと…。しかし、次女が寝夜の…』

『将季様がそうせよと…。廊下にてお待ちだ。直ちに参れ。』

『…はぃ。』


鈴は廊下へ出ると、一瞬将季と目が合った。


『この様な場にお前が居ては、存分に女を抱けぬ。』


そう言って将季は床へと足を運んで行った。


鈴は膝から崩れ落ちる様にそこへ座り込むと、まるで別人の様な将季の言葉にただ涙を堪え夜明けを待った。
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