eternal〜守りし者〜
将季は、かつて艶女部屋として活用した離れを手直しさせると、そこを空我達の新居として与えた。やがて、2人の間に可愛い男の子が誕生した。


『若は書物がお好きの様ですね…。』


部屋で読書に励む将呼を見ながら空我が顔を見せた。外で庭を眺める将季が振り向いた。


『…名は決めたのか?』

『はい…。』

『…なんだ、勿体ぶるな。』

『……だいき…と名付けました…。父上の名から大を…殿のお名前から季を…。』

『…大季…か…だが…それではお前の名が入ってはおらんでないか…。』

一瞬、嬉しそうな顔を見せた将季だったが、不意に表情を変えた。

『構いません…。私と紗江の子に間違い無いのですから。生まれてくる子が息子ならば"大季"…と、ずっと前から決めておりました。紗江も、生まれた子の顔を見て…この子は大季だと…そういう顔をしていると…。』


将季は穏やかな笑みで空を見上げ呟いた。


『大吾も笑ってくれてるかのぉ…。この手で孫を抱きたかったと…泣いてはおらんだろうか…。』


空我も空を見上げ答えた。


『どっちもに御座いましょう…。父上が喜ぶ時は、涙が付き物でしたから…。』


『……そうだったな…。』


『紗江に、良く頑張ったと…ゆっくり休めと伝えてくれ。そのうち俺にも抱かせてくれともな…。』


空我は笑顔で頷くと紗江の元へと戻って行った。
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