eternal〜守りし者〜
『父上〜ッ!こちらに蝶が飛んで来られませなんだか?』

『何じゃ沙莉姫…蝶を探しておるのか?』

将季は沙莉を抱え上げた。

『こちらに飛んでったのです。』

『…そうかぁ…。』

辺りを見渡す将季。

『あっ!おりましたッ!』

蝶を指差し将季の腕を離れると、嬉しそうに蝶を追って行く沙莉と入れ違いに鈴が姿を見せた。

『そんなに慌ててはまた転びますよッ!』

そう言って沙莉を目で追う鈴。

『沙莉は随分重とぅなった…。』

『えっ?』

『いつの間にか子は育つ…。沙莉は益々鈴に似てきた。』

『…将呼も昔の殿にそっくりです。』

『そうか…?』

『えぇ…。沙莉が転んで膝を擦り剥いた時、あの子をおんぶする将呼が…"俺が守ってやるから泣くな"と…。昔の殿を見ている様で可笑しくもなり、懐かしくもなり…そんなお気持ちにさせられました。』


将季はそう言って話す鈴の手を握った。


『………ん?』


『……あの頃は、まだ幼くて…こうして、鈴の手を握る事さえ許されぬと思っておった……それでも、この手を掴みたくて…守りたくて…必死だった…。』


『………殿?』


『……将呼も10歳。俺と鈴が出会ったのも10歳…。信じられるか…あんな子供だったなんて…今でも昨日の事の様だ…。』


鈴は将季の胸に寄り添った。


『…そうですね…。』
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