eternal〜守りし者〜
そして、将季は城で2人の祝言を執り行った。鈴はそこに裁縫部屋で針子として働くお涼を招いた。


『…お涼様ッ……。』


『紗江ってばぁ…様は要らないってぇ!』


そう言って笑うお涼に紗江も鈴も思わず吹き出した。


『お涼殿…紗江には様をお付け下さい!』


わざと偉そうにして見せる紗江に、気不味い顔をして固まるお涼…。鈴は堪え切れずお腹を抱えて笑った。


『冗談で御座います。お涼様…久方ぶりにお会い出来て、嬉しゅう御座います。』

『紗江…うぅん。紗江様、おめでとう御座います。お約束通り…裁縫部屋にも、その名が届きました。…まぁ、存分に自慢させて頂きましたけどねッ。紗江は私の次女だったー!私の世話係だったんだーッてね。』

『はい。』

意外にも顔をしかめて怒らぬ紗江にお涼はキョトンとした。

『……ん?どうした?しばらく会わん間にしかめっ面を忘れたのか?』

『いぃえ、お涼様。紗江はお涼様の次女としてこの城で過ごした事は誠に御座いますし、お世話させて頂けた事も決して嘘では御座いません。それをお涼様に自慢して頂ける事は紗江にとってこの上無い幸せに御座います。あの日々があったからこそ、今日に繋がっているのだと思っております。』

そう言って微笑む紗江に、お涼は涙を浮かべた。

『紗江に、"死ぬな"と言って下さったお涼様とのお約束…紗江を幾度も支えて下さいました。本当に感謝しております。』

『……そうか…覚えててくれたか…。流石紗江じゃ。紗江様じゃ。』

お涼は涙を拭い最高の笑みで紗江を祝った。
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