eternal〜守りし者〜
空我が部屋に戻ると紗江は思わず声を掛けた。

『どうされたのです?ウロウロと…。』

空我は部屋の中を行ったり来たり、無意識の様だった。

『…ん?あぁ…うん…。』

『一旦お座りになって下さいませ。』

紗江に促される空我はやっと腰を下ろした。

『…どうも落ち着かんのだぁ…。何せ、殿が城をお出になられる時、俺はお側を離れた事が無い…。こんな事は初めてだ。』

不安気な顔をする空我に紗江は笑った。

『…ん?何がおかしい?』

『…空我様…殿のお側におられぬ事が不安なのですか?それとも、殿がお側におられない事が不安なのでは御座いませぬか?』

『…………………。』

『…ほんと…素直なお方ですね。』

そう言って笑う紗江に照れながらも、笑う事で空我は少し落ち着きを取り戻した。

『…うん。殿がおらんで不安なのは自分であった。この平和な世をお作りになったのは、他の誰でも無い我が殿だ…。それに師匠も付いてる。何も案ずる事は無い。』

まるで自分にそう言い聞かす様に、両膝を叩いた空我。

『此処で帰りを待ちましょう。』

『あぁ。そうだ紗江、鈴様が紗江とお涼に土産をと申しておった。楽しみにしておれと。』

『誠に御座いますか?はぁ〜何じゃろ?それは楽しみに御座いますね。…ねぇ〜。』


そう言って大季の頬を指で撫でる紗江。
やはり、いつか紗江を連れて城の外を歩きに行こうと空我は心に誓った。
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