eternal〜守りし者〜
『…空我様は、とてもお心優しい方…。ご自分の大事な方の名を子に刻みたかったので御座いましょう…。貴方様が我が子に鈴様の妹君の名を刻まれた様に…。』


将季は微笑んで鈴を見つめた。


『蔵茉…この世を戦の無い平和なものにする事が俺の夢だった。だが…そうなった今も怖い…。鈴が笑って…子供達が笑って…皆が幸せを感じているはずなのに…そんな事を思う俺はおかしいか…?』


蔵茉は目を細めた。


『…それが、幸せの証に御座います。』


『……幸せの…証…?』


『はい…。人というものは…欲を持つ生き物に御座います。故に…辛く、苦しく、深い悲しみを与えられると…それをどうにかしたいと願う。しかし、いざ平穏な日々を手にすれば…今度はそれが続くようにと、また願わずにはいられ無い。不安に思えば思う程…今がとても幸せだという証なので御座います。』


『…………その通りだ…。』


蔵茉は将季の目線の先を辿ると手にしていたお茶を置いた。


『……凛としたお姿…お優しい笑み…どこからか感じ出る芯の強さ……時折見せる母の顔……良く似ておられますな…お母上に。』


将季は蔵茉の言葉に何故か涙が溢れた。


『…もう一杯、お茶を立てて参ります。』


そう言って蔵茉は席を離れた。
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