eternal〜守りし者〜
鈴が戻って来るのを見ると将季は慌てて涙を拭いた。


『誠に見事で…言葉にならぬとはこういう事で御座いますねぇ!』


そう言って将季の顔を見た鈴はハッとした。


『殿…?』


『…何でもない。慌てて茶を飲んだら…目に…目にな…茶が入った…。』


『目……?』


『…そうだ。目だ。』


『殿はいつから目で茶を飲むようになられたのです?』

そう言って鈴は将季の膝に手を置いた。

『……鈴はここにおります。何処へも…ずっと、殿のお側におりますから。』

鈴も、何故自分が今そんな言葉を発したのかよく分からなかった…。

それでも鈴の手を握り返した将季の手から伝わる"ありがとう"を受け取った気がした。

『さて、皆への土産は何にしようかの…。子供達は団子が食べたいと申しておったが…紗江にはもっと栄養のある物をと思うておるが…如何なさいましょう…?』


『…ならば、鰻はどうじゃ?町の入り口に美味い鰻屋があると聞いた事がある。佐護路なら知ってるやもしれん。』

『鰻ッ?…それは良い。うん。良い良い!』


そんな会話をしていると、蔵茉が茶を持って戻って来た。


『なにやら話が弾んでおるようで…。』


そう言って微笑む蔵茉。


『将季様のその様なお顔…初めて拝見致しました。笑みを見せる事はあれど、その様な笑顔までは…。』
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