eternal〜守りし者〜
城へ戻ると、空我は佐護路を連れて鈴の休む部屋へと向かった。空我は将季に団子を渡すと、目で合図し将季を部屋の外へと連れ出した。

部屋を出た将季は鈴の方を向き座る佐護路の後ろ姿を見てそっと襖を閉めた。




『……師匠…。』


『………………。』


『……勝手な事を致しました。申し訳…』


『もう良い。あまり喋るな…。』


『……はぃ。』


『……とにかく、無事でなによりじゃ。』


『師匠…1つ鈴の我儘を聞いては下さりませんか…?』


『…ん?何だ…?』


『修行を…。』


『…修行?』


『将呼にです…。この世は平和になりました…。今となっては…戦う術を習うは必要無いのかもしれません…。それでも、孤児達と共に強く生きて欲しいと願うのです。沙莉を守って欲しいと…。そして…私達の様に、友であり、仲間であり、同志、家族の様に思える相手と出会って欲しい…。それがいずれ、あの子の宝となる…。私はそれをよく分かっていますから。』


『………そうか。…ならば、俺も白髪ばかり増やしてはおれぬな……。』


『……宜しくお願い致します。』


『俺は厳しいぞ。いくら若でも容赦せん。』


『その事も、よぉ〜く存じております。…師匠…。』


『…ん?』


『いつの日か…師匠に聞かれた事が御座いましたね……"此処へ来て良かったか?"と…。』


『………あぁ…。』


『…本当に、良かった…。今なら…迷わずそうお答えする事が出来ます。ありがとう御座いました。』



『…………………………。』



佐護路は黙って頷いた。泣きそうにもなる自分を堪え、この2人の間にも笑顔が戻った。
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