eternal〜守りし者〜
『町はどうだった?活気付いておったか?』


廊下では将季が町の様子を聞いていた。


『はい。皆が笑っておりました。…平和の世になったのだと…改めて実家致しました。』


『……そうか、皆…笑っておったか…。』


『……きっと、克徳の妻も…己が生かされた意味をしっかり胸に刻んだでしょう…。』


『……だといぃが……。あの親子には…今も申し訳無く思う。』


『……何故です?』


『俺は、恨みを晴らしてやろうと思った…。それで気が済むなら、そうする事であの親子が生きて行けるなら…それも構わんと…。初めて生きる事を諦めた。でも、それは間違いだった…。刺された鈴が、"そなたを罪人にはしたく無い"と言った時分かったんだ。俺は、子供の前で母親を罪人にしてしまう所だったと…。鈴は俺の命を救っただけでは無い…生きる事で、あの親子をも救ったんだ。俺は結局、誰1人…守ってやれてない。自分さえもな…。』


『…殿…。その様な事…仰らないで下さい。この駿流美には殿のその手でお救い出来た民が大勢いるのです。自分を殺そうとした克徳の妻でさえ、罪には問わぬと申されたのでしょう?子を連れて逃したと…私は殿を誇りに思います。正直、1度でも生きる事を諦めたと申す殿は許せませぬ。しかし…殿がおられるからこそ、守られている者は大勢いるのだと、その事だけは忘れないでもらいたい。』
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