eternal〜守りし者〜
『師匠に、将呼の修行をお頼みしました。』


2人は一気に団子を飲み込んだ。


『…修行を?』


先に口を開いたのは空我だった。


『そう。あの子にも相棒を見つけてやりたいと思って…。お2人の様に、一生支え合える相手を。』


顔を見合わせ微笑む2人…。


『そこで己の守りし者とも出会うかもな。』


将季がそう答えると、空我も頷いた。


『血は争えぬと申すからな…。』


『早よ〜元気になって、将呼の修行を見てやらんと…。』


鈴はそう呟いて我が子の将来を楽しみに思った。


『…では、子達に団子を持って行くとするか…。そろそろ、おさじが来るはずじゃ。それが済んだら2人を此処に連れて来る。』


『はぃ。』


『私も紗江とお涼に鰻を…。』


鈴はハッとした。


『お前の望みだろ?』


鈴は満面の笑みで頷いた。


『殿…空我も…本当にありがとう。』


2人が部屋を出て行くと鈴はとても穏やかな気持ちで目を閉じた。すると、不思議とこれまでの事を思い出していた。妹と芋を分け合った頃から、家族に起こった悲劇も、土を掘り返し生の芋をかじって飢えを凌いだ日々、食べ物を盗んで町中を泣きながら走った事、1人で見上げた月明かりの桜、佐護路との出会い、仲間との修行、初恋、お凛との出会いや別れ、将我の最期、将季との初夜、戦、呼遙、権蔵、月夜、祝言、出産、大吾、空我と紗江、眠る我が子、法願寺、蔵茉、刺された痛み、涙した将季、たまらなく愛おしい瞬間…。鈴は大きく息を吐き出し微笑んだ。
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