eternal〜守りし者〜
『あの泣き虫がな…。』

『え?何か仰っしゃいました?』

『いや…。』

黙って酒を呑む佐護路を見て、鈴は父親が居たらこうゆう感じなのかな…と思いながら佐護路に酒を注いだ。

『鈴…。』

『はい?』

『ここへ来て良かったか?』

佐護路にこの城へ連れて来られてから10年。初めて聞かれた問いに鈴は戸惑った。

『…まだ、分かりません。』

『…そうか。』

『それでも、今こうして生きていられる事を感謝してます。ここに来てからの10年…どれもかけがえの無い時間ばかりです。』


佐護路はその言葉を聞いて、また笑みを浮かべると盃の酒を一気に飲み干し去って行った。鈴はその佐護路の後ろ姿が幼き頃追い掛けた背中より少し小さくなった様に見えた。


『鈴も呑んでるのか?』

その声に振り向くと少し頬を赤らめた将季が立っていた。

『…師匠が注いでくれて…。』

すると、将季は腰を下ろし鈴に酒を注いだ。

『あっ…。』

『今日が待ち遠しかった…。空我が居て、お前が居て…3人で戦さ場を駆け抜ける日が楽しみで仕方無かった。』

『…空我も同じ様な事言ってた。楽しかったな〜!って。』

『そうか…。お前は?楽しかったか?』

『…うん。懐かしいな〜。久しぶりだなぁ〜って…。でも、終わった今だからそう思うだけ。本当は…怖くて仕方無かった。』
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