eternal〜守りし者〜
時同じくして鈴は空我と井戸で顔を洗っていた。

『鈴、手拭い取ってくれ。』

『あぁ、拭いてあげるよ。』

手首を骨折した空我の顔を拭いた鈴。

『…悪いな。』

『らしくないね…骨折るなんて。でも…皆無事で良かった。』

『…だな。でも俺の怪我はお前のせいだ。』

『はぁ?なんでよ?』

『お前がくれたお守りがちぎれた。』

『……お守り?』

『くれただろ?昔…ボロボロの布切れで縫ったやつ。俺と将季に。』

鈴は懐かしい頃の記憶を思い出した。

『あぁ〜!あれ?まだ持っててくれたんだ?』

空我はそれを握り締め笑った。

『こいつに助けられてきた。何度も…。』

『…えっ?』

『でも今日はこいつのお陰で死にかけた。』

悪戯に笑う空我。

『何なのホント…そんな事言うなら返して!』

鈴はお守りを奪おうとしたが軽く避けられた。

『ダメだ。俺はこう見えて神を信じる。』

『いやいや、子供騙しのボロだから。』

『あいつも持ってる。寝る時もな。』

『……2人共、馬鹿みたぃ…。』

そう言って笑う鈴。
空我はそっと鈴の頬の傷を指でなぞった。

『……何?』

『残らないといいな…。この傷。』

『そんなに目立つ?』

『ん〜。まぁ、もし残っても安心しろ。そん時は俺がもらってやるよ。』

『はっ?なっ、何言ってんの?』

空我はまた悪戯に笑いその場を去った。
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