女王様の言うとおり
☆☆☆

翌日、あたしは朝早くに柊真に学校を休むと言う連絡を入れた。


それを見た柊真も、同じように休むことを決めたようだ。


それでもあたしは制服に着替えて、出かける準備をした。


一応、両親を安心させるためだった。


ひとりで家を出て、行く当てもなくブラブラと街を歩く。


あまり目立つ場所に行けば通報されてしまうかもしれないから、ひと気のない小さな公園に入った。


今は公園内にも誰もいなくて、野鳥が数匹ゴミ箱の辺りをうろついているだけだった。


茶色く錆びたベンチに座り、制服の上着を脱いで空っぽの鞄に入れた。


白いブラウスだけになるとパッと見学生だとわからないだろう。


青い空を見上げてなにもせずに時間だけを消費して行く。


色々と考えたいことはあるけれど、今だけはすべてを忘れていたかった。


そのくらい、あたしは疲れていたのかもしれない。


のんびりと流れる雲を見ているといつの間にか眠気が訪れて、少しウトウトしていたみたいだ。
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