イケナイ王子様
「それでは、中に入りましょう」


ニコッと笑って、そう言ってくれたから。


こくんとうなずき、男性とともにチャペルの中に入る。


ギィィ……。


両開き式のドアを開けると、奥に、私に背を向けてる人物が見えた。


あの背格好、翔さんに違いない。


開いてた傘を閉じ、そっと翔さんに近づく。


「翔さん……」


おそるおそる声をかけてみる。


背を向けていた翔さんが、やわらかな微笑みを浮かべて、こちらを向いた。


なんだか翔さんが、少し大人びてるように見える。
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